更新に疲れましたのでここで独特の表現法を持つS氏に登場していただきましょう
みなさんこんにちわ、私がS氏です、決して深い意味はありません
早速ですが今回のお題は・・・暖機”運転”のススメ です
13Bロータリーエンジン搭載RX-7のガソリンの無駄と燃費を科学的見解から解析するために・・・
ずばり”暖機運転”という行為をCPU側から見てみたいと思います。
皆さんが暖機運転をされるときは当然エンジンが冷えている時であると思いますが・・・
そもそも、”暖機運転とはなぜ行うか?”
A
ひとつの論としてエンジンやミッション等、回転部分や駆動部分の温度が冷えている時の物理クリアランス(すきま)を”最大馬力でも運転が通常に行える適正なクリアランス”になるように摩擦部分の温度を上げてやるという事。
B
オイルは温度が低いと硬くなってしまい、エンジンや、ミッション、デフの各部までオイルが行き届かないのでオイルの温度を上げてやるという事。
C
もうひとつが最も気にかけている部分である、”エンジンに燃焼状態を安定させ通常走行ができる”ように”冷却水温度を目標設計温度まで上げる”という事。
さて、みなさんはどのように暖機運転をされているでしょうか?
AやBを見る限りエンジンをかけたまま車庫で放置して水温計があがったからといって発進してもミッションの機械部分やデフの機構、そしてギヤオイルやデフオイル等は温度が上がっていない事になります。
では、エンジンをかけてすぐに発進したらどうなるでしょう?
実はこれは一例を除いて問題ありません
そりゃそうですよ、なんてったって、買ったばかりの新車がエンジンをかけていきなり100kmまで加速したからといって壊れるなんて、あり得ないでしょう。
もう少し注釈をつけるとするなら・・・
全く補記類やエアクリーナーやマフラーを交換していないFCやFDならいきなり100kmまで加速してもエンジンは壊れません(基本のメンテナンスが悪くて壊れるという例外はあります)
ただし、ECUの制御によりブーストを落とされ点火タイミングをずらされ、ずいぶんまったりと加速するはずです
で、先ほどの”一例を除いて”というのは、ずばりマフラーやフロントパイプ、触媒交換をした車です
で、本題・・・
メーカー側から出荷されたFC・FDには純正マフラーに見合ったブーストプログラムがCPUに書き込まれており、冷間時だけではなくエンジンがハードな走行で加熱気味になった場合や、レギュラーガソリンを入れてしまった場合に備えて補正が働く仕組みになっております
これは社外ブーストメーターをつけてる人なら誰でも冷間時にはブーストの上がりが悪いと感じた人が多いはずです
またこれらの補正は、ブーストだけに留まりません。
一番大きな冷間時の補正はガソリンの噴射量です。
冷間時の燃料噴射量は”吸入空気温度”と”水温”と”ガソリン温度(これはFDのみ)”により増量されます。すなわち・・・
昔の車に付いていたチョークレバーを引く行為に当たります。
CPU内部ではこれらの補正はマイナス20~プラス120度までの温度軸と設計運転温度(80度~90度)を10進数で80(係数)とした場合の補正係数が書き込まれておりその設計温度(80度~90度)より低い場合は80という係数より多く、それより高い場合は80より低い数字が書き込まれております。
例でいうなら・・・
温度 -20 0 20 40 60 80 100 120
補正 200 160 120 100 90 80 70 65
つまり摂氏0度でのエンジン始動直後の燃料噴射量は水温80度の時に比べなんと、2倍も噴射するわけです
となると・・・、冷間時の状態で補正係数がこのまま一定なら、一分間で13Bエンジンのインジェクターが噴出するガソリンの量は50ccです!5分で缶コーヒ一本もの量を消費するわけです!
なぜ?2倍も噴射しなければならないか?という問題ですが・・・
別に燃焼時の空燃比計の値がめちゃくちゃに濃くなるわけではありません
空燃比計をつないでも一般的な12.5:1より20%ほど濃い10:1ぐらいでエンジンは回っております。アレ?おかしいですよね?
いつもより2倍の燃料を噴射してるのに実際には120%の燃料しか燃えていない事になります・・・では、残りの80%の燃料はどこに行ったのか?
こ こ か ら が 大 事 な と こ で す
残りの80%もの燃えていないガソリン・・・
6月からさらに12円も上がってしまう^^、無駄にはできませんよね?
で、燃えていないガソリンは・・というと・・・・
一般的には冷間時に噴射した燃料は吸気管に付着したりローターやハウジングに付着し圧縮漏れを防ぎます、で、運良くプラグの周辺に達したガソリンのみが着火、燃焼をおこし爆発力に変わるのです。ローターやハウジングに付着したガソリンは残念ながら空燃比計を見る限り燃えていないようですので、おそらく未燃焼ガスとして排出されるか、温度が下がってカーボンに変わり黒煙としてマフラーから排出されるか、ローターのバスタブ溝やアペックスシールの溝に溜まり、温度が上がれば燃焼します。
ただし、溜まりすぎて凝結してしまったものは、よほどの事が無い限り堆積し、エンジンにはあまり良い状態では無いと言えます。
これを防ぎつつ、暖機を進める方法、それが『暖機”運転”』です。
そう、読んで字のごとく・・・
例で言うなら回転数を2500回転以下まででシフトアップしてブーストも0.3以上かけないように心がけて走って頂くという簡単な方法です。
アイドリングで放置するとエンジンにカーボンが堆積する時間が多くなってしまいますが、走行してしまえば燃焼温度を上げて燃やす事ができ、かつ暖機も早く終わります。
もしも暖機をアイドリングで10分行ってから通勤に使うようなオーナーなら是非試してくださいませ。
行きと帰りで缶コーヒ、2、3本分。。。
エンジンが飲むのではなく、オーナーがコーヒを飲めエンジンの寿命も延びるという訳です
ちなみに暖機中の燃料マップは一般走行に使うメインマップと別に設けられており基本燃料の演算を行った上で最終的にメインマップで更に補正噴射されます。
このマップはエンジン回転と水温、負荷に応じて燃焼効率が変わる事を考慮し、冷間時と温間モードの2面に区切られており、プログラム上は80度を境に切り替わります。
暖機モードへの切り替えは5度のヒステリシスを設けており、プログラム上75度まで低下すれば再び冷間モードで走行します。
上記の記述はあくまで水温のみによる補正であり、これらに吸気温度による補正等が加わります。
書き換え型のCPUでは温間モード突入温度を下げたり、冷間時の温度補正係数を書き換え早めに終了するものもあります
つまり結論としては・・・
「エンジンスタートで即全開にしてもエンジンにはダメージがいかない様に補正されている。しかし、各駆動系へのオイルの馴染みや、エンジンへのカーボンの蓄積、そしてガソリン消費の観点から考えると、アイドリング状態でなく、2500回転以下でブースト0.3までの、ゆ~っくり走行による暖機が好ましい」
という事です
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