整備士を34年もやってると、エンジンオーバーホール(OH)という言葉は、2種類あるとおもう。
”本当のオーバーホール”は、新品に近い状態を目指してエンジン分解作業を行いエンジン分解洗浄交換修正を行うという事だ
が、一方、中古車抱き合わせの場合のオーバーホールの多くが”オーバーホールしてるから安心だよ” という言葉を使いたいときに中古車業者が使う”簡易版オーバーホール”。
、当然後者は1年や2年は大丈夫かもしれないけど、みんなが期待する5年10年という将来を期待させる言葉じゃない。
それは交換してある部品内容でわかる。
。。。。。
ここで比較する対象としてREエンジンと比べる為に、レシプロエンジンのオーバーホールの例を記載しておく。シルビア、シビック等レシプロエンジン搭載車は以下のような作業をもってOHと称する。(みんなもそう信じてるはずだ)
ヘッド、シリンダ面研磨
シリンダー内部をホーニング(研磨、真円)
新品のピストンリングを組み込み(圧縮漏れ)
バルブ洗浄シール交換シート当たり調整(圧縮漏れ)
タペット調整(カム修正)
メーンベアリング調整交換、
クランク修正
コンロッド修正
ヘッドガスケット交換、
ベルトまたはチェーン交換テンション調整
(ここまですれば新品に近い状態になり、一回目のOHなら厳しくとも新品の9割の距離を走れる)
ま、追加としてタフトやバランス取り等があるだろう。
・・が・・決してレシプロ界では
ヘッドガスケット交換しただけではOHとは言わないし
ヘッドガスケット交換は、ガスケット交換と称するのみで
バルブシールの破損によるオイル下がりの修理には
”腰上OH”
シリンダー側のオイルリング破損やブローバイ修理には
”腰下OH”と上下分けて呼ぶ。
。。。。。。。。
ところがロータリーの場合、話が冒頭のように2つに分かれてしまう。
各ガスケット交換=レシプロでいう、ヘッドガスケット交換だ
アペックスシール交換=サイドシール交換やコーナーシール交換とセットで行われる、仮にアペックスシールを変えただけでOHとg表現してもローターハウジングやサイドハウジングを変えない限り、レシプロでいうシリンダー側からの圧縮抜けが必ず起こる。(簡易版OHとはいえ、アイドルでエンジンは安定して車検には通る)
この時点でOHと呼んでしまうのが中古車業界
でこれ以上手間をかけると販売価格が上がってしまい、うまみがなくなり、予算の関係で
OHと呼ぶ線引きの敷居が低いのだ。
本当のOHという概念をもった場合、OHを迎えたREならば今後10万㎞を超えて乗るならローターやステーショナリーベアリングの交換も必要だし、レシプロでいう、シリンダー側に当たる、ローターハウジングやサイドハウジングの交換も必要となる。
確かに15年前なら摩耗が少ない場合、無交換で終わる事もあったが現状20年もたつと水食いの浸食によって無交換はあまりなくなってきてる、ましてやレシプロエンジンで例えるなら
ボアに摩耗が見受けられ
傷がついたシリンダーに
ホーニング(修正)せずに
ピストンリングだけを
変える事はしないのだ
エンジンが壊れてなくても、10万㎞を走れはローターハウジングはどんな乗り方でも必ず機械摩耗する
当たり面が、真ん中と両端で違い端っこが編摩耗してるのだ。
エンジンが壊れた時、いまから10万㎞使いたいメニューをこなすと最低でも70万はかかる
また、アペックスシールが高ブーストで破損したとき、も乗せ換える工賃を入れて80万はかかる。
しかしそれだけでは、みんなが望むOHという意味合いと違うことがある事を知っておいてほしい、コンロッドやクランクに当たる、エキセン摩耗、ねじれを見逃すことも多いのだ。。。と、ここまでくるともはや中古のパーツを使いまわしする意味もなくなってくる。
幸いなことに、新品エンジンがまだ60万ほどで出るのだからこれもまた参考になるはずだ
厳しい言い方にはなるが、中古車でのオーバーホールという言葉を、
”魔法の言葉に捉えてはいけない”
”シール交換はオーバーホールとは言わない”
皆さんが望む10万㎞以上使えて、燃費もそこそこ、、、という結果を出すためのオーバーホールを行うためには高額な出費が伴う事なんだ。
これからもOHしてるRX-7を中古車店で見かける事が増えてくる、しかしながらOHの内容に十分注意してほしい。自分が求める性能を得る為には何が必要か何をしなきゃならないか??見極めが必要なんだ。決して過信してはいけないし事実を知っておかないと勘違いする人もいるだろう。
よく耳にするOHには2つある
市場に出回るOHは値段の関係上シール交換と20年も使った中古ハウジング再使用が多い
そして。。。
”簡易版オーバーホール”なら、3万㎞はおろか1万㎞でエンジンが壊れても決して文句は言えない事知っておかなきゃ
そして、そういった場合、ローターハウジングの編摩耗傷が大きいほど圧縮の戻りが悪くなり、編摩耗に合わせたアペックスシールの摩耗が進む事によってはじめて、圧縮が上がってくる。(ここ重要)
50万円以下でオーバーホール=5年、10年ノントラブルではない
5年や10年ノントラブルを願うなら58万円払って新品エンジンを買うべきだという事になる。
そして、もし不幸にもこういった事実を知らずに買った場合
その事実と向き合って改善、延命を念頭に置いておくべきで
50万でオーバーホールしてもらったからサーキットに行って全開だーだなんて事はしない方がいい。
自分の愛車と、より、多くの愛をもって向き合うことが大切だ。
@@@@注意@@@@
この投稿に関して・・中村より
こんな事を書きやがって!!
という店もあれば
ああ、
うちはちゃんと説明してるよ!!
という店もある
みなさんには、後者の店で購入して頂けることを願っています。
改造車だから〜とか
ロータリーだから〜とか
って魔法の言葉で、品質が低いことを誤魔化している。
私はあまり車屋さんに良いイメージがありません。
本当同感です。
車屋に悪い印象しかないです。
良い印象なのは昔から行ってるDくらいですちょうどそこです今の7を買いました。
私はまだ未成年ですが免許を取ったら8を買おうと思っています。ですが、色々と中古車を探していたら圧縮測定済みやO/H済みと書いてありますが、ほとんど信用できないです。ロータリーは耐久性が無いからそんなもんとか言われてもF1のピストンスピードを超えるロータリーなのですからF1のピストンスピードを超えるレシプロエンジン作ってから言って欲しいくらいです。
色々なレベルのショップがありますね。
完全整備、パーツの本洗いからバランス取り、クリアランス等の計測(新品ハウジング屋、ローターでも)を手間かけてやってくれる職人。
かたや平気で中古ローターやハウジングを入れて、交換したパーツもオーナーに提示しないモラルのない職人。
出来ますとやりますの違いがわからない職人。
今の時代、車両が抱えているトラブルがエンジンだけとも限らなくなってきて
いるのでエンジンO/H済と銘打たれた中古車を買う意味は特に無いと思います。
いい加減に直された分の店側の利益が乗った中古のFDやFCを高く買うくらいであれば
エンジンはゴミ同然でもボディがシッカリした車両を弱みに付け込んで個人売買等で安く
買い取り、エンジンや補機類、電装品をガッツリ新品にしてから乗り始めた方が長く楽しめるかと。
FDで笑えない程に散々失敗してきたので車屋へのイメージは最悪の領域を超えてます。
・・・現実味はアレですが、中村屋提携Dとコラボされて全て機関系や電装品の新品
パーツを正確に組んだコンプリートカーが不定期で販売されたら面白そうと思いました。
性格が捻じ曲がっている自分が言うのも何ですが、「愛のあるお店」が長らく繁栄
し、
「目先の利益しか追わない悪質な店」が早急に衰退してくれる事を切に願っています。
これからの時代は変わっていかなきゃ生き残っていけない。
大丈夫、まだ間にあう。
そう願い、伝えればきっと世論も変わる。
今後をよくしようという願いもあるし、
ユーザーの認識が変われば世論も変わります。
はじめての中古車でFDを買った私ですが、今さらながらド素人が一人で買うにはとてもリスクのある車だと、買った後に気づきました(汗)
何軒も中古車屋を巡って、ようやく納得して購入を決めましたが、購入後、色んなことが起きました(汗)
中古車屋のモラル向上ももちろんですが、買い手も賢くならないといけませんね。
ブログ記事、とても勉強になりました。
僕ができることは、何でもやろうと思っています。
いま、誰かが言い出さなきゃ、
高額になったFDがより無法地帯にもなりえます。