ディーゼルの寿命はEGRによるカーボンとの関連性が高い

執筆者 | 8月 2, 2019 | Non-Fiction | コメント0件

だからといって、カーボン(煤)を減らす為にEGRをすべてなくしてしまったらどうなるかというと、

排気ガス(特にNox)の値が悪くなる
もちろんこれは環境にもよろしくない

カーボンの発生量と、EGRの使用率は密接なつながりがあるから、切ってしまいたいところだけど、切ってしまったらそれはそれでいくつかの問題が出てきてしまう。

ま、それは後で書くとして・・

んじゃ、そもそもEGRってなんだ?となるよね?

EGRは、排気ガス再燃焼という、燃え終わった排気ガスをもう一度吸気に吸わせ不完全燃焼を決まった量行い燃焼温度を下げ(Nox)窒素酸化物の生成量を減らすものなんだ。ただし、この為に発生してしまうのがカーボン。特にシャッターバルブに高温のEGRが導入された場所で新鮮な冷えた吸入空気に急激に冷却されて結晶化しバルブにおおきな塊を作ってしまう。

ま、これはいろんな諸説があり、ほじくり返すととんでもなく多くの黒鉛の塊がドライバーで出てくることは去年書いた通りではあるけれど、この問題さえクリヤさえしてしまえば、ガソリンエンジンでは味わえない強力なトルクと経済性をもたらすことは今乗っているみんなが知っている。

いまディーゼルに乗ってトラブルを抱えているみんなの知ってる情報として、EGRはエンジンにとって害があるという見解になっているのだけれど、反面、このガスをうまく使えばおいしいこともある。ま例えるならマツダの2200㏄のディーゼルはEGRによって排気量を700㏄水増し充填させ、新たに吸う空気を1500㏄分とかまで引き下げ実質上の『ほんとは2200ccだけど、700㏄排気ガスでかさ上げするから実際は1500㏄ディーゼル』という状態を仮想的に行ってる事を知ってるだろうか?これをうまく使うと気筒停止メカニズム等を使わなくても定常走行の見掛け上の排気量を1500㏄まで引き下げ、その1500㏄の排気量に見合った軽油の消費量へとぐっと抑える事もできる(EGRで水増しされてしまった分、エアフロメーターで測量する空気量が減るから)また冷間や燃焼に必要な外気の温度が低すぎる場合(始動時や冬季等)暖かいEGRをエンジン内部に導くことで燃えにくい状況下でも着火性に多大な貢献をしてる事も知っておくべきだ。

なんと、
EGRがあってこそ、排気ガスもクリーンにできるわけだし燃費も稼げるという事になる。

このへんのバランスが重要な事になる
もちろん、新車の時はこの状態がうまく成り立ち排気ガス装置とPMの事後処理ですべて完璧にこなしエンジンにダメージなど及ぶことはないのだ。

ところがだ、この機能が10万Kmにもなってくると、乗り方やオイルの質、交換サイクルによっては尋常じゃないほどユーザーを苦しめる事も出てくる。

こういった状況に陥ってるユーザーの多くは既にメーカー保証の切れた初期型2.2Lディーゼルのユーザーたちで、これがまた苦労するんだよ。

ディーラーに持っていっても、意味不明な言葉と理論で打ちのめされ

そろそろ乗り換えの時期じゃないか?とセールスにそそのかされ

挙句の果てには、バンパーにカーボンが付くほどの黒鉛を見つけられたが最後、新しいスカイアクティブユーザーや他人からそろそろ乗り換えじゃないの?エンジンオーバーホールの時期でしょと、、ささやかれ。。

いやいや、そんなはずはない。ディーゼルエンジンというものはだな、トラックや戦車にも使われてるほどの高い耐久性を持ってると力説しても、自分より若い整備士達に次世代ディーゼルは15万㎞ですよと当たり前のこと(まあ、冷静に考えてみれば15万㎞ってOHが当たり前なんだよね)をいわれても、『いんや、最初新車で買った時からしんどうや騒音はあっという間に大きくなった』し、それ以来日々燃費の悪化とトラブルとの闘い、ワーニングとの闘い、そしてリコールだのリプロだのまともな状態で乗れた時期が少ないからこそ、腹立たしいというかなんというか・・・

そんな訳で、保証の切れたディーゼルエンジンに乗りまだ手放せないとお嘆きの有志の皆さんに

私の37年に及ぶ整備士経験で上に書いたEGRをうまく使い、できるだけ費用をかけずに治した実績をたくさんの初期型のアテンザユーザーからオファーがあり、、トラブルがあるけれど実はもっともっとマツダのディーゼルに乗っていたいと思う人たちの為に、こんなEGRを制限(リストラクター)して『枯れたディーゼルエンジンをもう一声、車検の通る範囲で延命しよう』(まそれでも10万km走ってるなら壊れる時には壊れますけどね)という商品を作ってみた、というお話だったのです。

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