ロータリーで燃焼室の中にオイルを噴射してることはよく知られていますが、そのオイルの噴射量は発生馬力に比例させなければなりません。多すぎると必ず燃え残るのです。
爆発力(発生馬力)にに対して必要なオイルの噴射量があるので昨今のRE車両はリアルタイムに自動で噴射量が決定されているのです。だから仮にいくら回転が上がっても、馬力が出ていなければ必要量はMINI側になり反対に回転数が低くてもブーストがあがればオイルの噴射量は加算されます。
噴射されるオイル必要な量は何を基に算出しているのかというと
インジェクターの開弁率です。(P+Sの合算噴射量)
快便ではありませんよ?(+=+)
開弁率(噴射量)は確実に馬力に反映される係数として扱われます。
ブーストが上がればもちろん開弁率は上がり
下がると開弁率は下がることを利用してオイルの噴射量を演算しています
このシステムはFC3S後期から採用されエンジンの性能向上に合わせたオイルの添加量をきめ細かく制御できる素晴らしいシステムです、が、マツダのエンジニアが数々のテストを繰り返して馬力に対応する添加量を算出してあるので400PSでも超えない限りこれらの値を変えることはありません。
機械式であった昭和の時代SA等、2ストオイルを添加剤としてガソリンタンクに混入させてサーキットを走る等の高負荷連続走行に対応していましたが、現在では燃料の噴射量の値(0馬力から430ps相当に値する噴射量は自動で増量が行われますので、サイドポート等、サイドシールを酷使する状況でもない限り必要ではありません。しましてやサーキットを走るとしても350psを超えないのであれば2ストオイルの添加は安心、保険、という言葉の代償として燃焼室に燃え残りを発生させてしまいます。
昨今、このシステムも20年を超えたFD3Sでは故障することが多くなりました。15万kmほどで不調を起こしますがその判断は難しいものとなります。温感時のギクシャク感や、ブーストがフェルセーフ状態に入り全く上がらなくなった場合はダイアグチェックで判断はできますが、15万㎞を超えたらイグニションコイルのように予防的に変えておくのがベストです。
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FD3Sの最近増えたトラブル。メタリングオイルポンプの故障による交換。冷えてるときには問題がないのだけれど温間になり正圧にはいるとギクシャクする。しかもダイアグには出ません。アクセルを深く踏むとエンジンが揺れて前に全く進まなくなります。夏場でエアコンんおスイッチ等を入れると顕著に現れます、
これはメタポン(メータリングオイルポンプ)のオイルの供給量がエンジンの発生する馬力に必要な規定値に達してるか?達していないかを判断するメタポン内部にあるポテンショメーターが劣化したために起こる症状でCPUの指令通りにポンプの流量を確認できてないから、燃料噴射を制限しようというCPUのフェルセーフ機能が起こすドライバリティーの低下です。
アクセスするのはとても困難でエアクリーナー、インタークーラー、エアポンプ等、これらの補器類をすべて取り外して行います
ここでも難しい部分は僕が手伝いますが、基本整備士に教えるのが僕の役割です。
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