前回分解したサーキット&通勤360馬力仕様のエンジンの続き、今日はアペックスシールの摩耗量についてお届けしよう
まずは2ピースアペックスシールの高さを手元にあるノギスで測ってみよう。マイクロメーターは見にくいから客観的比較ね。
新品はうちの、ノギスだと9.2㎜
今回摘出したサーキット&通勤で使用したアペックスシールは8.65㎜
摩耗量は 0.55㎜だ。
これは過去に分解したら摩耗量が0.3㎜だった記述に比べ一見多い。
とはいっても、この馬力で摩耗量は0.55㎜なんだからアペックスシールがそう簡単に摩耗しないことに変わりはないだろう。
( ↓ これは2012年に新車から使って10万Km走ったエンジンを分解した時の写真)
さて、一つの疑問が残る。
本当に2012年に分解したアペックスシールの摩耗量は0.3㎜だったのか?
どうして、リビルトは0.55㎜も摩耗してるんだ?
その摩耗の差は何か?という点にも触れておこう。

3分割アペックスシール
新品エンジンは3分割アペックスシール
仮に測定誤差があったとしてもだ、
その摩耗しにくい理由は3ピース構造にあったと言える。一つのパーツが軽いので慣性が少なく動きがなだらかなのだろうか?
ただ、これは推察にしか過ぎない。
いずれにしても2ピースにしても摩耗は起きにくいのだが
が、まあそれ以外の要因としてまだある
昨日分解したエンジンはリビルトであったことから、新品ローターや新品ローターハウジング新品アペックスシーツであったとは限らない
今でこそフロントカバーとネジ以外、オール新品パーツで組まれた70万円近くするマツダリビルトエンジンだが、当時40万円で入手できたリビルトエンジン。ゆえに昨日分解したエンジンの内部がすべて新品であったとはいえない訳だ。
仮に中古のハウジングで程度の良いものを組んでリビルトとして受け取っていたとしたらそれがリビルトの本質だ、となると昨日分解したエンジンの実摩耗距離は10万㎞を大きく超えるだろう。昨日の分解において不良個所は見当たらないからこれはこれでOKなのであり、よってこのアペックスシールもそれを案ずるに新品であったとは確定できない。(当時のリビルトエンジンの定価が安かったから新品ではなかったとも言い切れないのだけれど)
となると、、、
皆が手に入れたRX-7のエンジンを分解してもその燃焼室の状態やアペックスシールの状態によって過去を推察はできるかもしれないけれど、それは、あくまで予想にすぎないことになる。
シールの状態やハウジングの状態、ローターの状態は結果ではあるがそこに至ったプロセスはこの記事を含め予想の範囲でしかないという事だ。予想の範囲である分解だからこういった写真をたくさんネットから拾ってくることも可能だし、どこかの誰かや他の業者にもらった写真を私があげているかもしれない
では、真実は?どこにある?
こういったブログやSNSの記事の中で仮にそれが間違いであっても正しいとしても読み手次第だ。
読み手側としの判断材料は、我々書き手の洞察力と信ぴょう性。
大会社だから正しいとは言えないし
かといって、小さい会社だから間違えて書いてもいいわけでもない
どれほど小さいラーメン屋であっても 人気のユーチューバーがうまいと言えばラーメン屋は儲かる、実際に激うまで人気が継続すれば利益も上がりより多くの顧客を収容する為、店が小さいままでは立ち行かなくもなる。動画だけではない、ネットでレビューが上がってくる店には、技術力が高い事や経験に加え、そういった人気者によるレビュ―だけではなく実績が伴ってくる。となると売り上げが上がり『銀座のすし屋』もそうであるように店の風情や職人の数も変わってきて当然だろう。
勿論そうなると予約制にもなるだろうし多くのファンが詰めかけるだろう。
読み手の立場からそういった真実を見抜くことはそう難しい事ではないはずだ。
より我々は内燃機に対して深い洞察力を求められることにもなる。
多くの顧客が集まればたくさんの意見も生むだろうし見え方も変わってくるし、最大公約数が適正化してくることにもつながり、多角的な見方もできて当然になる。(理論が正しいならば)
そいうった多角的に見える力がついてくると
たとえば、この写真だけからいくつかの要件を見出すことが出来る
これは、7万㎞の時に圧縮が低下して片側のアペが折れて生き残ったローター。燃焼状態は良く、300馬力程度出た状態の時間が生涯時間の中では長かったはず。わずかだがL側にノックの跡(プラグホールに横クラック)があるように見えるが、このエンジンが組まれた時から中古ハウジングをつかい元々クラックがあったものなのか?ブローする直前に入ったものなのかは?全く見当がつかない。
経験と、その場で感じた直感、これらは整備士歴が38年にもなると、、、単なる直感ではなくなる。基礎と経験、実績を伴ってこその直感に昇華する。
経験から積み上げられたプログラム、、、と言えばいいか?
いや簡単に『関数』と言っておこう。
2x4X=16
Xを求めよ、と言われたらX=2であることは簡単な暗算で済むはずだ。
何かが足りない、何かが欠けていおる時に単純な答えを出すことは可能だ、しかしこの内燃機関に至ってはなかなかそうはいかない。燃料なのか、点火なのか?はたまたオイル劣化なのか?プラグ劣化なのか?たくさんの要因が潜む。難しいと言われる例でならFD3Sのツインターボ制御。故障したとかツインに切り替わらない7の修理は時間がかかるとか修理に出しても治らないとか、、、、何度出しても治せない店も多いだろう。しかしながら中村屋の時代から含め経験数は多くツインターボのトラブルは100%修理してきた、だからブログにある通り修理方法のイロハまで書いたわけだ。治しすぎて今ではどのホースが抜けているか?までユーザーが乗ってきた瞬時に的中してしまうほどだ。これは経験数と結果、それによって導き出された『関数で治した』という事になる。ま、最近の制御でいうと制御対象と制御装置の両方をモデル化し,それらを経験で組み合わせシミュレーションでの症状と結果をモデル化(パターンダイヤグラム)してあるから何が起こっても必ず治せるのだ。
ここまで読んでくれた諸君にそろそろ洞察力の問題をだそう
一枚の写真がある
よくあるローターハウジングの写真だが、よく見ると左右のエンジン(001、002)では何かが違う事に気が付くだろう。
誰もがわかりやすいところは、エキゾーストの穴を見る限りエンジンのF側とR側の排気温度に違いがある。
FD3Sの場合は吸気菅の取り回し上、後ろの方が空気の量が多いのだ。
それ以外に、、
001と
002では、何かが違う事に気が付くはずだ。さてきみは、何を読み取れる?
ちなみに、キンタロー君は答えなくてもいい。
さて、その答えはこちらで発表だ
なぁ~んだっ、そう言う事! って、なるかも知れないが
約3分見比べたが、、まだわからず、です。(_ _);;;
はい。そこです。
知ってそうな人が言うと、そうなんだ=ーってなるだろうし。
かといってそれが事実とは限らないわけです、となるとどれほど自所で実験して得たサンプル数の多いソースを持ってるか?になります。
今回は、このページ関連リンクや写真にある程度のヒントが隠されています。TECSを学んでいれば速攻です。
2次エアの 穴の 汚さが違いますね。
こう言う所にも痕跡が残るんですね。
片方の片方は、傷がついちゃうかも、、でも、なぜ、その片方って言うのがわからない。
あれ、、日本語変かな?
お!!!!!!
むむ、、ポートエアを疑ったのは正解でしたが、
002Fのエキゾースト穴周りの黒色に目を取られました。
そこだけ完全に燃えてなくて黒くなっている = ポートエアが不十分、、、っと、私は不正解でした。(^_^;
分解する前の燃焼温度で変わります。
点火系の弱りや低域で走ってた時につくススかもしれません。
はたまた、GTRポンプを使って勝手に低域が濃くなる制御方法でなら、黒くもなります。
時期が来たら、このエンジンのアペックスシールの周動面についての写真、比較、考察も行いますので是非ご覧ください。