FD3Sにおいてはインジェクターのサイズに余裕がありますが、問題はFC3S
550㏄x4なので2200㏄となり、これによる最大馬力は310psあたりとなります
ところが、、FC3Sにはこのサイズに見合うタービンがありません。
昔は純正タービンに三菱のコンプレッサー(19c)を入れてバランスさせてはいましたが、よく出回ってるのはもう少しい大きい400psぐらいのタービン
実に、これがモノによっては使いにくい。ギャレットのコンプレッサーを付けたものやボールベアリングになったものならまだしも、中には触媒が付いていない7とかACVが作動していないもの、、、、おまけに30年以上前の車です。
FC3Sはもう確実に老兵です、FDの前期にも同じことが言えますが。
部品交換してるからと安心して踏み込み、運悪く高齢化した車両側に見落としがあり、走行中に壊れたらどうなるか?
・・・作業したショップで分解され、見た人の経験(スキル)と所見により原因を推察する事がほとんどです。
スキルによって所見が決まると書きました。
経験値(洞察力にもよる)によっては誤診断もあります、医者でなくてもなぜ肺炎になったか?なんて原因はいくらでも述べることができるでしょうし、整備士でなくても、アぺが折れたらアぺが折れてエンジンブローしたとかノッキングで壊れたーとかは言うでしょう。
しかし問題はそこから先です。
例えば、アペックスシールが折れていたとします、これがノッキングが原因で折れたとします。その原因が燃料の不足によるものなのか?燃料タンクのさび、燃料ホース錆による詰まり、をはじめ30年も使ったインジェクターの作動不良によるものなのか?プレッシャーレギュレーターの圧力スプリング劣化による燃圧不足なのか?燃料ポンプの作動不良なのか?また燃料ポンプを駆動するリレーの問題なのか?配線の不具合なのか、点火コイルの劣化やコードの劣化、プラグの劣化(これでもノッキングは起こします)ノックセンサー、水温センサー、等、数えたらキリがないほどのセンサーや配線の本数、リレーの数です。
今回のFC3sのようなLジェトロのエアフロの不調や、以前に紹介した故障例のように、メータリングポンプ(メタポン)の作動不良、メタポンのホースの先についてるチェックバルブ不良(これはけっこう多い)つまりアペックスシールの潤滑不良である場合も考えられます。もちろん、P-FCでも純正CPUでも故障もあるでしょう。
昨今多いのが過去にOH歴がある場合のブロー原因の判断は困難です、エンジンを開けた時に内部の摩耗痕跡が、前のOH時に摩耗したハウジングのまま組み込まれていたとか、へたり切ったアペックスシールのスプリングの再使用をされていたら、もう何が起こって圧縮が下がったか?壊れたか?なんて誰も立証できる人などいません。
さて、ここで問題
もし僕がFC3Sのユーザーに相談されたならどうするか?
これだけの不安材料を抱え30歳を超えた老兵相手にどんな料理をするかというと・・
間違いなく、私がセッティングするわけですからタービンサイズを変えずOHを勧めます。
他人にセッティングを任せる事などしません。
もし任せるとするならよほどの信頼関係がある人に限られるでしょう。自分がセットアップした車両ですからここで壊すわけにはいきません おそらく日本にはいないかもしれないけれど。
自分でセッティングを行う場合
純正以上のターボでセッティングするとなると、非常にシビアな要求を行わなければなりません。最終的には誰が取り付けしたか?もう一回作業を見直す必要があるかもしれません。いえ、必要だと言ってもいいぐらい古いのです。たとえエンジンがメーカー新品でメインハーネスが新品であったとしても、『そのぐらいのレベルでは多くは望めない』というのが私の経験から発する見解で理由は上記に書いた通りです。
30年分以上の不安材料があるFC3Sですから出来るだけエンジンを守る事が優先です。
となると、日常が楽しく安心して乗っていただく為にも製造設計馬力にプラスアルファーが基準となるでしょう、FC3Sなら230ps FD3Sなら330ps近辺までが目安となります。
それを超えたタービンの場合、非常に気を使わなければなりません。セッティングが時間がかかる、エンジンの仕様やフロントパイプの仕様によってもブーストの立ち上がりやトルクの出方は様々です。
もちろん、この仕様に見合うデーターなんて通販で出せるデーターなんて一つもありません。
必ず、現物合わせが必要になります、もう一つ言うならブーストデーターまでセッティングするとほとんど現物合わせを数回行わなければ確実に終わらせることが難しい年式です。
こういった事情から特にFC3SやFD3Sにおいてのターボ交換による通販は困難になる場合が多いのです。
ターボ交換で持ち込まれた車両の現物合わせも時間も回数もかかり、それに伴い
点検や調整費用が掛かる事をご理解ください。
本当のエンジンのブロー原因を突き詰める事は難しいですが、こうした経営方針で得た収益で
『共に愛車を見守る現場を構築』しています。
このステージ奥のアクリルの紙を剥がせばピットが見えます。
もちろんここから愛車が見えます、
もちろん、以前と変わらず作業現場で一緒に作業見学もできます。
引っ越しして・・・
いま、屋根が高くなりました。
これで存分にリフトアップできます。
メインピットのフラットリフト納入は昨今の事情で大幅に遅れており、6月22日ごろの予定です
あとは、整備士が3人いるので陸運局へ分解整備ができるよう認証工場の申請を行っています。
3人足したら『 7級 』 なんですよ。
自分のエンジンをここで一緒に分解する事も可能です。
認証工場おめでとうございます!これで気兼ねなく何でもできますね!
いやはや、今になっては遅かった出来立ての会社ならいざ知らず、もはや18年加古川で店をやってきたわけだ、
もっと今後も内燃機関の事を書くわけだからもっと早くすべきだったし、そうでなきゃ公的には問題があるわけだから。