スパークプラグ
プラグの状態を良好に保つことが、メンテナンスの第一歩
エンジントラブル時の原因切り分けの一助となるのは間違いない。
ロータリーエンジンに限らず、良い混合気、良い圧縮とともに、
エンジンにとって大切なのが、良い点火
そしてその肝となるのがプラグと略されることの多い、スパークプラグ
プラグ交換の頻度
定期的なプラグ交換は油脂類の交換とともに、ロータリーエンジンにとって大切なもの。
交換時期だが、FDなら純正プラグで6000kmを推奨する。
ただしくエンジンオイル交換2回に1回のサイクルが目安となる。
プラグの数
プラグは、計4本。
各ローターハウジングで上下に並ぶ。
下側がリーディング、上側がトレーリング。
英語で書くとLeadingとTrailingとなり、頭文字「L側」「T側」と表現されることもある。
プラグの番手
プラグは燃焼ガスより受けた熱を逃す必要があり、その度合いのことをプラグの熱価という。
熱価は番手で表され、冷間時の始動性などを重視すると熱価は低く=番手は小さくなり、高回転など高負荷の状況が多い場合は熱価を高く=番手は大きくする必要がある。
ロータリーエンジンでは、一般的に7番から11番の番手のプラグが使われる。
プラグの番手の選び方
FD3Sを例に、使用するプラグの番手を、車両の使用環境とカスタマイズの仕様によって具体的に紹介していきたい。
エンジン本体や吸排気系にカスタマイズなし、完全なノーマルでサーキット走行をしないならば、純正プラグでL側が7番、T側が9番の熱価となる。
また上記ノーマルでCPUを変えず、ノーマル制御でサーキットを走るのならば、L側、T側とも9番だ。
反対に、CPUを変えてるけれど時折峠道などを走る程度であれば、純正プラグL側が7番、T側が9番となる。
カスタマイズの初手ともいえる車検対応マフラーへの交換仕様の場合はどうか?
CPUは変えてないとしても、L側、T側とも9番となる。
これは、聞こえないレベルのノッキングが起こっていることが理由。
なお、むき出し式のエアクリーナーを使用している場合も同様だ。
では、車検対応マフラーを装着し、さらに触媒やインタークーラーや変えているクルマ。もちろんここまでやればCPUも変更済みだ。
この場合、通勤などで軽く山を流す程度であれば、純正プラグL側が7番、T側が9番。
エンジン回転数が5000回転を超え、ツインターボの領域をよく使うようなら、純正プラグでL側、T側とも9番となる。
ここまで、すべてのパターンが、L側が7番、T側が9番か、L側、T側とも9番のいずれかとなる。
L側の番手選択のポイントは、ツインターボ領域をよく使うかどうか。
使うなら、L側、T側とも9番。
完全ノーマル車両でもL側、T側とも9番に変えるだけで、サーキット走行時に起こってるノック制御が抑制されて10PSあがるといわれてるほど。
ちなみにL側を7番とするのは、あくまでもアイドリングや渋滞等においての燃費やカーボン発生の抑制を狙ってのもの。
結果的に圧縮アップに優れた効果を持つプラグといっていい。
サーキットを走るクルマでは仕様により、L側9番、T側10番が選択肢に入ってくる。
さらにエンジン、吸排気系によってはL側10番、T側11番という選択肢もあり、その上で500PSを越えた場合はL側11番、T側13番を使用することもある。