フィードバック走行を行っても、圧縮が戻らない場合があります、そこで世間ではあまり知られていない圧縮が帰ってこない要因を現物を用いて解説しています。
前回はポートエアの不調があった場合、実際に起こっている『詰まり』について書きました
この写真が示す事は排気ガス装置(ACV)が不調の場合、ロータリーエンジンはカーボンが大量に発生してしまうという事で、その影響はローターハウジングに及びます。
写真を拡大するとACVやエアポンプが不調でポートエアにカーボンが詰まったローターハウジングと、正常なハウジングではローターハウジングの摩耗に大きな差があります。
通常のハウジングとポートエアの状態が悪く詰まってるハウジング、それぞれの壁面を拡大した摩耗具合の比較です
これらの摩耗の差に関係しているのは、エアポンプやACVの作動状況の差であることが明らかです。この異常摩耗をさらに拡大して別の角度から見るとアペックスシールの動く方向(縦方向)に引きずられた跡が深く残っていることがわかります。
見れば誰でもわかるほど深くえぐられた傷で、この深い傷によって圧縮漏れが発生していることがうかがえます。
こうなると交換する以外、圧縮を元に戻す方法はありません。同時にアペックスシールにも異常な摩耗が見られるはずで、フィードバック走行を行っても圧縮は戻る事があってもその上限は制限されることになるでしょう(8以上には戻らない等、、)今後も長くREに乗るうえで大事な事は排気ガス装置と圧縮維持は深い関係がある事をおさらいしておきましょう。
通常
二次エアが正常に働かない場合、カーボンを巻き込みシールの動きを低下させエンジンが新品でも圧縮を徐々に低下させてゆきます。
もちろん、ここまでひどい傷でなければ排気ガス装置の正常化や20年以上にわたり劣化した補器部品の交換によって多くのRX-7の圧縮は蘇る事が多く報告され皆さんに認知されていますが、過去の走行状況が不明である中古車を買う場合は『ノーマル戻し』がある事も踏まえ、十分に注意が必要です。
中古車販売等で買ったユーザーの愛車点検の中では残念な事が発覚したこともあります。ダークな事実として深い傷が入ったハウジングが『オーバーホール』という名目で再使用することはありませんが、『中古車オークションに出品する為の一時的な修復』という名目での再使用が『まだできる事』を知っておいてください。
ロータリーエンジンのトラブルに関する検証を行う為には多くの知識や実験や解析、残念な失敗が多く必要です。いくら新しい6型RX-7だといえ、少なくとも18歳を迎えます。これからも多くの問題がみなさんのRX-7に降りかかる事もあるでしょう。そういったときRECHARGEでは実体験や研究結果を元に皆さんが判断できる材料を今後も公開し続けてゆきます。
0コメント