FD3Sに組んで走行3000kmのエンジンで圧縮が上がってこないエンジンの原因究明をしています。
当初はアイドルはもちろん走行も順調でしたが2000kmを超えたあたりから『圧縮』の低下です。片方が9kを超えて順調であったのに対して片方は8近辺、前後差で1K近くの差がありました
最近では燃費も高速でフィードバック走行でも他と比べて燃費が思わしくない。←コレ重要
もちろん、慣らしですから回転を上げて走るわけもなく。
普通は、エンジンを疑いますよ。しかし・・・
まだ載せ替え後3000㎞、回してもないのにシールが摩耗して圧縮が下がる?
さて、困りました。
どれほど複雑な修理や長い経験からしても、正確な答えを導き出すことはできません、症状や測定結果だけの憶測だけでは解決できないのです。
(参考絵)
異常個所はなんと、インジェクターのオーリングでした。
同事交換したインジェクターと、ホルダーの中に入るオーリングの組み付けのアタリがわるく徐々に漏れ始めた燃料分が濃いために不完全燃焼をおこし始めていました。(しかしこれは、古くなればOHに関係なくガソリン漏れは起こりうる現象でもある事をしっておきましょう)
オーリングのはめ込み不良とガソリンが溜まっていた痕跡(ピンク色)がありました。が、これをエンジンルームからサージを外して発見するのはなかなか難しいでしょう。
これがトップフィードインジェクターを使うFC3Sならまだ発見は楽だったでしょう。なんせ表から見る事も触る事もできますからある程度の予見が触診でできます。
ついでに分解したOH後、間もないエンジンのローターは真っ黒で、アペックスシールの動きを阻害するほどにカーボンが溜まっていました。が、エンジンの組み付けに問題があったわけではありません。もちろんセッティングが悪かったわけでもなく、初期症状はなく、燃料が漏れていてもカーボンがシール溝に貯まるまでは順調だったのです。次第に漏れが進んでいったのでしょう。
圧縮が上がってこない、燃費が上がらない等の理由には機械的な要因と電気的な要因があります。
今回は機械的な要因。
しかし古い車両なので電気的な要因も多々あります。
過去難しい判断になりましたが 圧縮不良の原因がメインハーネスの劣化による走行中の接触不良もありました、これはエンジンを載せ変した時の作業によって傷をつけた事が原因で実際に降ろしてみるまで分からなかった事です。
そういった経験や想像を絶する難解な原因解明を行い経験値を挙げてきましたが私もまだまだ足りないところがあります。
オーバーホールをしても上がってこない圧縮や、燃費の改善が見られない場合には必ず原因があります。
しかし、その、『原因』にたどり着くまでが大変。
古いから交換というのもありです
古いから洗浄して再使用もあります。
それがベストですがそれを現場で一緒に確認しながら行うのは困難です。しかし出来る事はあります。
森を見ずして木を見る感覚では原因にはたどり着かない。
また逆もしかり。森ばかり見て木を見ない事もだめ。
整備士達による整備が100パーセントかというとそうではない、プライベーターが組んだから間違えるかという訳でもなく、こういったときは多面で見る必要があります、ハードとソフト両方の側面から現場で舵を切り作業に向き合うことが大事。
組み込んだはずの部品の取り付けミスや破損を机上でどれほど論絶しても前には進みません。
(参考図)
ただしかし、その現場にいても固定概念や経験値によって大きく 『所見』 が変わります。写真判定だけだとか、人から聞いたとか、うわさで聞いたとかいろんな要因によってバイアスがかかり物を斜め(批判的)に見始めたた危険です。斜めに見る事も大事ですが、実際にその場にいて多くの経験や実績から推測し判定することが大切です。
ひとはこうあってほしいと願えばそのように見ます。
コレがダメだと聞けば、そこから切り口になります。
動画サイトで有名な人がいい商品ですと言えば、ヒットします
しかし、本当に良いか?悪いか?
現場にいる我々整備士はこういった確認の作業を行います。
しかしここでもバイアスがかかる場合もあるわけです。
そこで枯れた整備士達と一緒に当人が現場で原因を究明できるスタンスは、ほかの整備業界にはないユニークです。
しかしそういった作業を一緒に行い現場で確認し合う事が出来る環境を提供すると、異論を唱える人もいます。
素人を現場に入れるな、責任問題はどうする?、けがをしたらどうする?
手伝うなら費用は半額?か?とか・・・(いや、それはない)
もちろんそれらは大事な事ですが、これからの時代を見据えるとユニークな方法は
常に『挑戦』であることです。一緒に挑戦してみませんか?
・・・
・・・
さて、今週店長が夢のFC3Sを増車しました、早速自分のエンジンを降ろして分解に掛かりそうです。
0コメント