中村屋基準圧縮下限値は、8.5
そう、8.5というのはメーカー基準値より高めであることは事実だが
それには、ちゃーーんと理由がある。
” メーカーの基準値が走行限界であること ”
手元にある資料では下記が記載されています
13B-REW
圧縮圧力”標準”値 9.0kg/cm2-250rpm
圧縮圧力”限界”値
圧縮圧力 7.0kg/cm2-250rpm
三室差 1.5kg/cm2 ローター差 1.0kg/cm2
ところは、さきほど述べたようにこれは限界値で安心してすべての機能を十分に使えるわけではありません。
フィードバックや、経済走行、あるべき低域のトルク、始動性、アイドル安定性、エンジン寿命、また
限界値のように気筒三室差が1.5もあったらアイドリングの振動も大きくタコメーターもグラグラします
中村屋が求める誤差範囲は三室差は0.5未満で前後ローター差が0.7を求めています
過去にも記載した内容ですがもう一度みなさんも考えてみませんか?
・・・・・・・
先日から圧縮測定が増えております
その中でもVマウント化に伴う
”むき出しエアクリーナー車両”の圧縮低下が目立ちます
仮に300ps近辺であれば少々の吸気温度補正による噴射減量であれば走行5万kmで圧縮8を切ることはありませんが・・・
360ps~400ps近辺なら3万kmで圧縮限界の8を切ってしまってる車両が多くなります。(サイドポートや低圧縮ローター車両は別)これは単純に馬力による磨耗促進と、燃料セティング時と実走行時の吸気温度誤差を読み外したミスセッティングによる燃焼異常による磨耗が主な原因です
圧縮限界は回転数やエンジンの状態により変わります
特に250回転の補正は重要ですので”圧縮測定 回転補正”はよくお読みください。
また・・・・圧縮8といわれてもFCやFDにおいては少々事情が異なります
特にエアフロメーターを持たない予想吸入量測定方式(Dジェトロ)を採用する
FD3Sにおいては、8を切る時点で・・・
”このアクセル開度でこの吸入負圧ならこの回転ではこのぐらいの空気が入ってるはず”
という予想を、大きく ”読み間違え” ます。
どのように読み間違えるか?というと、皆さんがよく目にする負圧計で説明すると
”最近、負圧下がってきたなあ~~そろそろOHかな?”という話を聞きますが
これはあながち間違っているわけではないようです
仮にアイドリングの負圧とすこし回転を上げた1500回転の負圧には大きく変化があるように回転の上昇により吸入効率が上がると負圧計(ブースト計)の振れも大きくなります。
ところがアペックスシールの異状磨耗や偏磨耗により基本圧縮が下がってしまうと
正常時に比べてアクセル開度を少し大きく取らないと先ほどの回転(1500回転)で指した負圧に届きません。
アイドリングであっても末期症状に近づくとフラフラしたり、アイドリングの負圧が正常値に指すまで時間が掛かったり、また目標値に達しません。こうなると正常時に比べ、アクセルを踏む開度や負圧が負荷側に移動しているためCPUでは”負荷がかかって吸入量が増えている”という判断を起こし、燃料を増量します
が、実はエンジンの圧縮が下がって負荷パラメーターが増えているだけですのでCPUは実吸入空気量より多く噴射しているだけの話です。こうなるとプラグがかぶったり、ローターにカーボンがたまったり、アペックスシール溝にカーボンがたまりやすくなり、症状はどんどん悪化してゆく結果になります。
ところが・・・エアフロメーターを持つFC3Sにおいてはその測定方法が原始的でスライド接点を持ち、トラブルになりやすく吸気抵抗であるといわれていても、ある程度までの圧縮低下があっても機械的に吸入測定を行ないますのでFCの場合圧縮限界の8を切ったところで測定誤差が小さい(FDに比べてマシ?)為に日ごろのメンテで乗り続けることが出来ます。
中村屋 推奨
FD3S 320ps近辺車両
平均圧縮8.5@250回転 普通に使える300psちょいならぜんぜん平気
平均圧縮8.0@250回転 延命モード300PS未満じゃないと、致命的なダメージが・・
FC3S 250ps近辺車両
平均圧縮8.3@250回転 普通に使える
平均圧縮7.8@250回転 延命モード
ただし・・・
発生する馬力が上がると圧縮の目標値は勝手に引きあがります
レシプロエンジンと違い、アペの接触面から隣に延焼するからです
仮に360psのFDにおいて平均圧縮8.3はそろそろ・・・ということになります
ですから。255ps時代に立てられたメーカー下限値の7という数字は、最高馬力が255psまでとなりますね。
正しい補正があれば、チューニングしたFDでも圧縮を回復させることは簡単です
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